ROEとは自己資本利益率とも呼ばれていて、企業が株主から集めた資金をどれだけ効率的に利益に変えているかを表す指標です。
ROEが高いほど、企業が自己資本を効率的に活用して利益を上げていると判断されます。一般的に10%以上であれば優良企業と言われています。
しかし負債の影響を考慮していないため、高いROEが必ずしも健全な財務状態を意味するわけではありません。そのため、他の財務指標と併せて総合的に企業を評価することが重要です。
計算方法
ROEの計算式を表にまとめると以下のようになります。
計算式 | 説明 |
---|---|
ROE(%) = (当期純利益 ÷ 自己資本) × 100 | 基本的な計算式 |
ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ | デュポン分析による計算式 |
※デュポン分析による計算式は、ROEを3つの要素に分解して分析する方法です。この方法を使うと、企業の収益性、資産効率、財務戦略をより詳細に評価することができます。
計算例
トヨタのROEを計算します。
2024年3月期の数値を使用します。
必要な数値
- 当期純利益:4兆9449億円
- 自己資本:35兆2393億円
計算手順
- 当期純利益を確認:4兆9449億円
- 自己資本を確認:35兆2393億円
- ROE(%) = (当期純利益 ÷ 自己資本) × 100
- ROE=(4.9449÷35.2393)×100
- 計算すると約14.03%
結果
トヨタの2024年3月期のROEは14.03%となります。
まとめ
注意点もあります。
- 業界特性の無視
ROEの適切な水準は業界によって大きく異なります。異なる業界間でROEを単純比較することは適切ではありません。例えば、資本集約型産業(電気・ガスなど)は低め、資本効率を重視するサービス業は高めとなる傾向があります。 - 財務レバレッジの影響
負債を増やすことでROEを高めることができますが、これは同時に財務リスクを増大させます。過度な負債依存は企業の長期的な健全性を損なう可能性があります。
よって業界ごとの特徴やどれくらいの負債を持っているのかもチェックしましょう。
計算式は上の通りですが、簡単にIRBANKでチェックすることもできます。
どのような計算式で割り出すのかが分かればIRBANKでチェックする方が簡単なので
チェックしましょう。
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