パルプ・紙株の特徴

日本株の33業種

パルプ・紙関連企業の特徴は、差別化が難しく

成熟し尽くしていて、設備投資の大きさがそのまま企業の大きさのような面があります。

どうしても薄利多売になる傾向があるので海外に輸出するコストが重くなるため

国内売り上げが70〜80パーセントを占めている企業がほとんどです。

パルプ・紙の為替変動の影響

円高の影響

  • 原材料コスト減少: 木材チップやパルプの輸入コストが下がり、生産コストが低下します。
  • 競争力向上: 海外向け製品の国内生産メリットが増大し、国際競争力が高まります。
  • 株価上昇: 円高メリット株として投資家の関心を集め、株価が上昇する傾向があります。

円安の影響

  • 原材料コスト上昇: 輸入依存度の高い木材チップやパルプの調達コストが増加します。
  • 製品価格上昇: 原材料コストの上昇により、製品価格の値上げが必要になります。
  • 国内競争力向上: 輸入紙の価格上昇により、国内紙の相対的な競争力が高まります。

業界の特徴

  • 輸入依存: パルプの原料となる木材の約72.9%を輸入に依存しています。
  • 為替感応度: 為替変動の影響を受けやすく、特に円高時には投資家の注目を集めます。
  • コスト構造: 原材料費、エネルギー費用、輸送費が主要なコスト要因となっています。

日本の代表的なパルプ・紙企業5社

王子ホールディングス

  • 概要: 国内最大の総合製紙メーカーです。紙・板紙事業、機能材事業、資源環境事業、生活産業・海外事業など幅広く展開しています。
  • 特徴: 国内外に広範な事業基盤を持っています。森林資源の育成から製品の製造・販売まで一貫体制を構築しています。家庭紙ブランド「ネピア」が代表製品です。
  • https://www.ojiholdings.co.jp/

日本製紙

  • 概要: 総合製紙メーカーで、洋紙分野で国内トップです。紙・板紙事業、紙パック事業、機能性フィルム事業などを展開しています。
  • 特徴: セルロースナノファイバー(CNF)の研究開発に注力しています。家庭紙ブランド「クリネックス」「スコッティ」が代表製品です。
  • https://www.nipponpapergroup.com/

レンゴー

  • 概要: 段ボールで国内シェアトップです。段ボール・板紙事業を中核に、紙器・軟包装事業も展開しています。
  • 特徴: 段ボールの製造から販売まで一貫体制を構築しています。海外展開も積極的に推進しています。
  • https://www.rengo.co.jp/

大王製紙

  • 概要: 総合製紙メーカーです。家庭紙、印刷・情報用紙、段ボールなどを製造・販売しています。
  • 特徴: 代表製品の家庭紙「エリエール」ブランドで高い知名度誇っています。アジア市場での事業拡大に注力しています。
  • https://www.daio-paper.co.jp/

北越コーポレーション

  • 概要: 洋紙、白板紙に特化した製紙会社です。印刷・情報用紙に強みを持っています。
  • 特徴: 印刷・情報用紙分野で高い技術力を持っています。海外展開も積極的に推進しています。
  • https://www.hokuetsucorp.com/

パルプ・紙の5年のチャート推移

日本取引所グループの業種別 パルプ・紙の5年チャートを見てみましょう。

2020年の頭にコロナショックで急落した後で

一時ロックダウンなどで印刷用紙などの需要が減り軟調な株価でしたが

国内の巣篭もり需要で宅配用の段ボールや紙などが拡大して、さらに

経済も少しずつ回復したこともあり上昇しましたが

2022年の頭にパルプ・紙の原料供給源のウクライナとロシアが戦争状態に入ったことにより

原料が高騰して日本のパルプ・紙企業を直撃しました。

ですがうまくそれを価格転嫁できたこともあり一時的に急騰した後

株価はやや軟調に推移しています。

まとめ

日本のパルプ・紙企業の売り上げはまだ国内で多くを占めている状況です。

しかし昨今のペーパーレス化などにより一部製品の市場は縮小傾向にあるといえます。

ただアマゾンや楽天などのネット通販がどんどん一般化して市場が広がっていることもあり

段ボールや梱包素材などはどんどん増加傾向になっています。

大量生産をしないといけない業種ということもあり、どのように環境問題や大量消費の問題と

折り合いをつけていくかというのがこのセクターの未来を占うといえます。

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