陸運業株の特徴

日本株の33業種

陸運業とは、トラック運送での貨物輸送や、鉄道、バス、タクシーでの、旅客輸送業を

行っている企業のことを指します。

日本は物流効率化に優れ、ジャストインタイム(JIT)生産を支える精密な輸送システムが特徴です。

自動運転技術やAIを活用した配送最適化も進んでいます。

鉄道網は世界トップクラスの技術を持ち、新幹線は速度と安全性の象徴として国際的にも評価が高いです。

陸運業セクターにおける為替変動の影響

円高の影響

  1. 燃料コストの減少: 円高により輸入燃料のコストが低下し、運送コストが直接的に減少する可能性があります。
  2. 輸入資材のコスト減少: 車両や部品など、輸入資材のコストが下がり、設備投資や維持費用が軽減される可能性があります。
  3. 輸出関連の物流量減少: 円高により日本からの輸出品が相対的に高くなるため、輸出関連の物流量が減少する可能性があります。

円安の影響

  1. 燃料コストの増加: 円安により輸入燃料のコストが上昇し、運送コストが増加します。
  2. 業績悪化: 帝国データバンクの調査によると、運輸・倉庫業の83.2%が円安により業績が悪化したと回答しています。
  3. コスト増加: 円安による「コストの増加」を挙げた企業の割合が、運輸・倉庫業界では83.2%と全業種平均を上回っています。
  4. 価格転嫁の困難: 円安によるコスト増加を販売価格に転嫁できている企業は9.5%にとどまり、全業種平均の12%を下回っています。
  5. 対応策の模索: 燃料サーチャージの導入や、不使用時の節電など、コスト削減策を講じる企業が増えています。

業界の特徴

円安の影響は特に大きく、物流関係の企業は受け身の対応となりがちで、経営が困難になっているケースも報告されています。

陸運業セクターは、為替変動の影響を直接受けやすい業界の一つであり、特に燃料コストの変動が業績に大きな影響を与えます。そのため、為替リスクへの対策や効率的な経営戦略の構築が重要となっています。

日本の代表的な陸運業セクターの企業10社

ヤマトホールディングス(ヤマトHD)

  • 概要:「クロネコヤマト」ブランドで知られる大手物流企業。宅急便を中心とした小口貨物輸送で強みを持っています。
  • 特徴:宅急便のパイオニア、顧客利便性を追求したサービス展開、独自の物流ネットワークを誇っています。
  • https://www.yamato-hd.co.jp/

SGホールディングス(SGHD)

  • 概要:「佐川急便」ブランドで知られる大手物流企業。法人向けの物流ソリューションに強みを持っています。
  • 特徴:法人顧客向けの物流ノウハウ、スピード輸送、国際物流ネットワークに強みを持っています。
  • https://www.sg-hldgs.co.jp/

日本通運

  • 概要:陸・海・空のあらゆる輸送手段を組み合わせた総合物流企業。国内外に広範なネットワークを持ち、重量物や美術品など、特殊な輸送にも対応しています。
  • 特徴:総合物流企業、国内外に広範なネットワーク、特殊輸送に強みを持っています。
  • https://www.nittsu.co.jp/corporate/

センコーグループホールディングス

  • 概要:総合物流企業であり、特に化学品や住宅関連物流において強みをもっています。また、近年では、生活物流や国際物流にも力をいれています。
  • 特徴:化学品物流、住宅関連物流、生活物流、国際物流などを手掛けています。
  • https://www.senkogrouphd.co.jp/

東海旅客鉄道(JR東海)

  • 概要:東海道新幹線を主力とする鉄道会社。高い収益性と安定した経営基盤が特徴です。
  • 特徴:東海道新幹線の圧倒的な輸送力、高い定時運行率、安定した経営基盤を持っています。
  • https://jr-central.co.jp/

東日本旅客鉄道(JR東日本)

  • 概要:首都圏と東日本エリアを広範な鉄道ネットワークで結ぶ鉄道会社。Suicaなどの非鉄道事業も展開しています。
  • 特徴:広範な鉄道ネットワーク、Suicaなどの非鉄道事業、首都圏の基幹交通機関です。
  • https://www.jreast.co.jp/

西日本旅客鉄道(JR西日本)

  • 概要:近畿圏と西日本エリアを鉄道ネットワークで結ぶ鉄道会社。北陸新幹線も運営しています。
  • 特徴:広範な鉄道ネットワーク、北陸新幹線の運営、地域に密着した事業展開をしています。
  • https://www.westjr.co.jp/

阪急阪神ホールディングス

  • 概要:阪急電鉄と阪神電気鉄道を中核とする大手私鉄グループ。鉄道事業に加え、不動産、エンタテインメント事業も展開しています。
  • 特徴:関西圏の有力私鉄、沿線開発、多角的な事業展開をしています。
  • https://www.hankyu-hanshin.co.jp/

東急

  • 概要:東急電鉄を中核とする大手私鉄グループ。渋谷を中心とした沿線開発に強みを持っています。
  • 特徴:渋谷を中心とした沿線開発、多角的な都市開発、生活サービス事業を手掛けています。
  • https://ir.tokyu.co.jp/ja/ir.html

小田急電鉄

  • 概要:東京都と神奈川県を結ぶ私鉄。特急ロマンスカーが有名です。
  • 特徴:東京都と神奈川県を結ぶ私鉄、特急ロマンスカー、沿線開発を手掛けています。
  • https://www.odakyu.jp/company_information/

陸運業セクターの5年間のチャート推移

日本取引所グループの業種別 陸運業セクターの5年チャートを見てみましょう。

2020年のコロナショックでは、人の動きが極端になくなるということもあり、旅客輸送業の収益が大幅に悪化するとの見通しにより、株価は他のセクターより激しく急落しました。

しかし、巣篭もり需要でECでの買い物が日常になり、物流のほうは活況になったため

コロナの影響がある程度収まるまでに株価は、乱高下しました。

2022年のロシアとウクライナの戦争の時は、世界的なインフレとエネルギー価格の高騰により

陸運業は、燃料を使う業種のため、直接にエネルギー高騰の余波を受けて、株価はまた急落しています。

2023年から2025年までは、円安の急激な進行により、日経平均や輸出企業は大きく株価を

上げた場面もありましたが、陸運業は円安によるコスト増加に弱いことや、人手不足が深刻化していることもあり、株価は乱高下を繰り返しています。

まとめ

日本はエネルギー資源に乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に頼っているため

燃料を使う陸運業は、エネルギー価格の高騰を直接受ける業種です。

上に書いたように、現状の物流企業は、円安によるコスト増加をうまく価格転嫁できておらず

円安が長引く場合利益を圧迫する可能性があります。

2024年4月から施行された働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働に上限(年間960時間)が設けられました。これにより、人手不足や輸送能力の低下が懸念される「物流2024年問題」が進行中です。

旅客輸送の方は、コロナ後から着実に回復しています。

2022年度のデータでは、以下の結果が出ています。

  • 鉄道は前年比約12%増加
  • 乗合バスは約9%増加
  • タクシーは約21%増加

配当利回りの傾向は、貨物輸送株は3%前半のものもありますが、配当性向が高いものもあるので注意が必要です。

  • センコーグループの今日の終値での配当利回り3.23%
  • 日本通運の今日の終値での配当利回り3.76%

旅客輸送株の方は、株主優待が基本あるものが多いので、配当利回りは3%を切っているところが多いです。

  • 東日本旅客鉄道の今日の終値での配当利回り1.75%
  • 西日本旅客鉄道の今日の終値での配当利回り2.50%

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