日経平均は本当に割高か? さまざまな指標から検証してみる

国際状況と株

最近、日経平均株価が4万5000円台を維持する中で、「割高じゃないか?」という声がちらほら聞こえてきます。2025年9月26日時点の終値は45,354.99円と、歴史的高値圏にあります。株価が上がるのは嬉しいけど、PERやPBRなどの指標を見ると、ちょっと不安になる人も多いはず。そこで、この記事では日経平均の割高さを、さまざまな数値データから客観的に探ってみます。主にPER、PBR、配当利回り、歴史的比較、国際比較、そしてマクロ経済要因(インフレ・金利)の観点から分析。結論として、本当に割高と言えるのかを考えてみましょう。データは最新の市場情報を基にしていますが、株価は変動するので参考程度に。

1. PER(株価収益率)の観点から

PERは株価を1株当たり利益(EPS)で割ったもので、株価が企業の収益に対してどれだけ割高かを示す指標です。一般的には15倍前後が適正と言われ、20倍を超えると割高感が出やすい。

  • 現在の日経平均PER: 約17倍台後半(2025年9月時点)。6月頃は15.52倍でしたが、株価の上昇に伴い上昇しています。 これは、企業の業績が堅調ながら、株価の伸びが収益を上回っていることを示唆。
  • 歴史的比較: 過去5年の平均PERは約14-15倍。バブル期(1989年頃)は50倍超えでしたが、現在はそれほど極端ではない。ただ、17倍台は歴史的に高めで、「違和感がある」という投資家も。
  • 評価: 割高寄りだが、企業の成長期待(例: AIや半導体セクターの業績向上)が反映されている可能性。減益企業も一部あるので、注意が必要。

2. PBR(株価純資産倍率)の観点から

PBRは株価を1株当たり純資産(BPS)で割ったもので、企業の資産価値に対する株価の割高さを測ります。1倍以下なら割安、2倍以上で割高と見なされやすい。

  • 現在の日経平均PBR: 約1.5-1.6倍(推定値、詳細チャート参照)。 過去の低迷期(1倍割れ)から回復中。
  • 歴史的比較: 過去10年の平均は1.2-1.4倍。2023年の低金利時代は1倍前後でしたが、最近の上昇は企業改革(ROE向上)の成果か。
  • 評価: まだ割高とは言えず、むしろ適正水準。政策保有株の解消が進む中、PBR1倍割れ銘柄の改善が全体を押し上げている。

3. 配当利回りの観点から

配当利回りは株価に対する年間配当金の割合で、株主還元の観点から割高さを判断。利回りが低いと割高感が増す。

  • 現在の日経平均配当利回り: 前期基準1.89%、予想1.95%。 個別銘柄では2-3%台が多いが、全体平均は低め。
  • 歴史的比較: 過去平均は1.5-2.0%。バブル崩壊後はずっと低かったが、最近の企業ガバナンス改善で上昇傾向。
  • 評価: 国債利回り(約1%)と比べてまだ魅力的。ただ、金利上昇で債券が競合すると、株の魅力が薄れる可能性あり。

4. 歴史的比較から見た割高さ

日経平均の長期チャートを見ると、1989年の最高値(約3万8900円)を超えた今は確かに高値圏。ただ、インフレ調整後で考えると実質的にはまだ余地あり。

  • 過去70年の推移: 1950年代の公表開始から、平均年リターンは約7-8%。 コロナショック(2020年)で2万円割れから回復し、2025年は4万円超え。
  • PER/PBRの歴史平均: PERは長期平均14倍前後、PBRは1.3倍。現在の値は上回っているが、バブル期のような異常値ではない。
  • 評価: 歴史的に見て割高だが、日本企業のグローバル化や円安恩恵が支えている。急落リスク(例: 1990年の下落)は念頭に。

5. 国際比較(S&P500など)から

日経平均を海外指数と比べると、日本株の割安さが浮き彫りに?

  • S&P500とのPER比較: S&P500のPERは約20.2倍(過去平均19.9倍)、日経平均は17倍台。 米国はテック株主導で高PERだが、日本は製造業中心で保守的。
  • パフォーマンス比較: 2025年上半期、日経平均はS&P500を上回る場面も(年初来高値更新)。 ただ、S&P500の平均利回りは1.27%、日経は2.2%と高い。
  • 評価: 国際的に見て割安。米国並みのPER23倍を目指す余地あり、という見方も。 ただ、トランプ政権の影響で変動リスク大。

6. マクロ経済要因(インフレ・金利)の影響

株価は経済環境に左右される。インフレと金利の上昇が割高感を助長するかも。

  • インフレ: 日本は中長期的に1%程度のインフレが続く見込み。 物価上昇で企業収益が増えれば株価支援だが、コスト増で減益リスクも。
  • 金利: 長期金利は17年ぶり高水準(約1%)。 日銀の利上げ(2025年中に追加か?)で株価下押し要因に。 ただ、景気回復に伴う金利上昇なら株価上昇の「業績相場」へ移行可能。
  • 評価: 金利上昇は短期的にマイナスだが、インフレ抑制と財政不安解消で長期的にプラス。円安(150円台)も輸出企業を後押し。

結論: 本当に割高と言えるのか?

総合的に見て、日経平均は「割高寄りだが、絶対的な割高ではない」と思います。PER17倍台は歴史高めですが、PBRや配当利回りは適正。国際比較ではまだ割安で、マクロ要因も追い風になる可能性大。ただ、急激な金利上昇や地政学リスクで調整が入るかも。投資は自己責任で、分散を心がけましょう。この分析があなたの投資判断の参考になれば幸いです。データは変動するので、最新情報をチェックを!

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