夏枯れ相場って何?
「夏枯れ相場」という言葉、投資を始めたばかりの方には少し聞き慣れないかもしれませんね。これは、夏の時期(特に7月~8月)に株式市場の取引が少なくなり、株価が動きにくくなったり、値動きが不安定になったりする現象を指します。夏休みシーズンに突入することで、市場参加者が減り、相場が「枯れる」ように静かになることからこう呼ばれます。
特に日本株市場では、海外の投資家が約7割を占めると言われています。彼らが夏休みを取ることで、市場の取引量(出来高)が減少し、株価の変動が大きくなる傾向があります。この時期は、ちょっとしたニュースや材料に市場が敏感に反応しやすく、初心者にとっては少し扱いにくい時期かもしれません。でも、しっかり傾向を理解すれば、怖がる必要はありません!
なぜ夏枯れ相場が起こるの?
夏枯れ相場の主な原因を簡単にまとめると、次のようになります:
- 海外投資家の夏休み:欧米の機関投資家やヘッジファンドが7~8月に夏季休暇を取るため、市場に参加する人が減ります。これにより、取引量がガクッと落ち込みます。
- 取引量の減少:市場の参加者が少ないと、株の売買が少なくなり、値動きが小さくなるか、逆にちょっとしたニュースで大きく動くことがあります。
- ボラティリティの上昇:取引量が少ない分、株価が急に上下することがあり、予測が難しくなる場合も。
日本ではお盆休み(8月中旬)も重なるため、国内の投資家も減少し、さらに市場が静かになる傾向があります。ただし、お盆明けになると徐々に市場参加者が戻り、取引が活発化してくることも覚えておきましょう。
夏枯れ相場の傾向
過去の傾向を見ると、夏枯れ相場にはいくつかの特徴があります。初心者の方にもわかりやすくポイントを整理します:
- 取引量が減る:市場全体の売買が少なくなり、普段より静かな相場になります。
- 中小型株に影響が大きい:特に中小型株は、機関投資家の取引が減ると値動きが不安定になりやすいです。
- 悪材料に反応しやすい:市場参加者が少ないため、ネガティブなニュースが出ると株価が大きく下がることがあります。
- 一方で、チャンスも潜んでいる:一部の優良な中小型株が一時的に下がった場合、長期的な視点で「押し目買い」のチャンスになることもあります。
過去10年の取引量データで見る夏枯れ相場
夏枯れ相場の特徴である「取引量の減少」を、過去10年のデータで確認してみましょう。以下のグラフは、2015~2024年の東証プライム市場の7~8月平均売買代金と年間平均売買代金を比較したものです。

*出典:日本取引所グループ(JPX)「月間相場表」(2015~2024年、2025年7月取得)*
このグラフを見ると、7~8月の売買代金は年間平均よりも10~20%低い年が多く、夏枯れ相場で市場が静かになる傾向がわかります。たとえば、2019年の7~8月は年間平均より約20%低い売買代金でした。このようなデータを知っておくと、夏の相場の動きを予測しやすくなります!
毎年必ず同じパターンになるわけではありませんが、7~8月は普段より慎重に市場を見ることが大切です。
夏枯れ相場でどう動けばいい?初心者向けの対策
「夏枯れ相場は難しそう…」と思うかもしれませんが、初心者でもできる対策をいくつかご紹介します。リスクを抑えつつ、賢く動くポイントを押さえましょう!
1. 資金管理を徹底する
夏枯れ相場は値動きが不安定になりやすいので、投資資金の管理がとても重要です。たとえば、以下のようなことを心がけましょう:
- 全額投資は避ける:すべての資金を一つの株に突っ込むのは危険です。資金を分散させて、リスクを抑えましょう。
- 少額から始める:初心者なら、まずは少額で取引に慣れるのがおすすめ。夏枯れ相場の動きを見ながら、少しずつ経験を積みましょう。
2. 逆張りは慎重に
株価が下がったときに「安くなったから買おう!」と考えるのは自然ですが、夏枯れ相場では「逆張り(値下がりした株を買う戦略)」はリスクが高いです。市場参加者が少ない分、思わぬ下落が続く可能性があるからです。
- ポイント:下がった株を買う場合は、企業の業績や将来性をしっかり確認。優良な中小型株で、長期的に成長が見込めるものを選ぶと良いでしょう。
3. 押し目買いのチャンスを見極める
夏枯れ相場では、優良な株が一時的に値下がりすることがあります。これは「押し目買い」のチャンスになる場合も!
- どうやって見極める?:
- 企業の財務状況(PERやPBRなど)をチェック。
- 過去の業績や成長性を確認。
- 市場全体のトレンドやニュースを把握。
- ただし、焦って買わず、じっくりタイミングを見計らいましょう。
4. 情報収集を怠らない
夏枯れ相場はニュースに敏感な時期です。企業の決算発表や経済ニュースをチェックして、市場の動きを把握しましょう。XなどのSNSで投資家の声や最新情報をキャッチするのも有効です。ただし、噂や憶測に振り回されないように注意!
5. 長期視点を持つ
夏枯れ相場は一時的な現象です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な投資計画を立てることが大切です。もし優良な企業に投資しているなら、夏の値動きに慌てず、じっくり保有を続けるのも一つの手です。
まとめ:夏枯れ相場は怖くない!準備と冷静さが鍵
夏枯れ相場は、市場参加者が減って値動きが不安定になる時期ですが、初心者でも準備をすれば十分に対応できます。以下のポイントを覚えておきましょう:
- 取引量が減り、値動きが不安定になるのが夏枯れ相場の特徴。
- 資金管理を徹底し、逆張りは慎重に。
- 優良株の押し目買いのチャンスを見極める。
- 情報収集と長期視点で冷静に対応。
投資は焦らず、自分のペースで学ぶことが大切です。夏枯れ相場を経験しながら、市場の動きに慣れていきましょう!次回のブログでは、具体的な銘柄選びのコツや、夏枯れ相場を乗り切った後の秋の投資戦略についてもお話しできればと思います。引き続き、投資の学びを一緒に楽しんでいきましょう!
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