高配当株の配当権利日手前で買う危険性とは?
高配当株に投資する人にとって、配当金は大きな魅力です。特に配当権利確定日が近づくと、「今買えば配当がもらえる!」と飛びつきたくなる気持ちもわかります。でも、そのタイミングで買うのは実はリスクが潜んでいるんです。なぜ危険なのか、具体的に見ていきましょう。
配当落ちで株価が下がるリスク
配当権利確定日の翌営業日、つまり「配当落ち日」には、株価が配当金額分だけ下がるのが一般的です。例えば、1株1000円で配当が50円の株を権利確定日前に買ったとします。理論上、配当落ち後に株価は950円付近に調整されることが多いです。つまり、配当をもらっても株価下落で帳消しになるか、下手をすれば損失が出る可能性もあります。権利確定日直前に高値で飛びつくと、この下落で痛い目を見るかもしれません。特に長期保有で配当目的で購入しようとした場合そもそも割高な状況で購入してしまう可能性が高いです。
過熱感で割高になる傾向
配当権利日が近づくと、高配当を狙う投資家が集まりがちで、株価が普段より吊り上がることがあります。いわゆる「配当狙いの買い」が入るせいです。このタイミングで買うと、本来の価値以上に高い値段で掴んでしまうリスクがあります。例えば、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が割高な水準でも、「配当がもらえるから」と目をつぶって買う人が増えるんです。でも、配当落ち後に冷静な市場に戻ると、割高だった分だけ損失が膨らむことも。
市場全体の動きを見落としがち
配当権利日だけに注目すると、市場全体のトレンドや企業の業績を見逃してしまう危険もあります。例えば、権利確定日前に株価が上がっていても、それが配当狙いではなく、業績悪化への過剰反応や投機的な動きだった場合、配当落ち後にさらに大きく下がる可能性も。高配当株だからといって安定しているとは限らず、タイミングだけで判断すると足元をすくわれます。
心理的な罠にハマる
「配当がもらえるなら今しかない!」という焦りが、冷静な判断を鈍らせます。投資は感情に流されると失敗しやすいもの。権利確定日前の高揚感にのせられて買ったはいいけど、配当落ち後の下落で後悔する――そんな経験談はSNSでもよく見かけます。短期的なお得感に飛びつくより、長期的な視点で株価や企業価値を見極める方が賢明です。
じゃあどうすればいい?
では、配当権利日前に買うのがダメなら、どうすればいいのか。まず、配当だけにこだわらず、その企業の成長性や財務状況をチェックすることが大事です。権利確定日のかなり前から株価の動きを観察し、割安なタイミングで買うのが理想的。配当前の決算などを分析するのもありです。配当落ち後の下落をチャンスと捉えて拾う戦略もありですね。結局、配当は投資リターンの一部でしかないので、トータルでプラスになる計画を立てましょう。
まとめ
高配当株の配当権利日直前に買うのは、一見おいしそうに見えて実は落とし穴が多いです。配当落ちでの株価下落、割高での購入、コスト負け、市場リスク、そして心理的な焦り――これらが絡むと、期待したリターンが得られないどころか損失を出すことも。投資は「タイミング」だけでなく「大局観」が大事。配当狙いなら、もっと冷静に、もっと戦略的に動くのが得策です。
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