精密機器株の特徴

日本株の33業種

精密機器とは、カメラ、測定機器、光学機器(カメラ、顕微鏡など)、時計などの

緻密な設計が必要な機器のことを指しています。

医療用分野の製品が多いことも特徴の一つです。

精密機器セクターと電気機器セクターの違い

以下に、セクターの違いを表で説明します。

特徴電気機器セクター精密機器セクター
主な製品家電製品、重電機器、半導体、電子部品、OA機器測定機器、分析機器、医療機器、光学機器、時計
技術特性電気工学、電子工学、量産技術精密加工技術、光学技術、小型化・高精度化
市場動向IoT・AI技術の活用、半導体需要の急増医療分野・産業用機器の安定需要、ウェアラブルデバイス市場の開拓
経済感応度景気敏感セクター比較的安定したセクター
TOPIX-17分類「電機・精密」として統合「電機・精密」として統合

精密機器セクターにおける為替変動の影響

円安の影響

  1. 輸出競争力の向上:円安により、日本製品の海外価格が相対的に安くなり、価格競争力が高まります。これにより、輸出が増加する可能性があります。
  2. 海外売上高の増加:海外での売上高が円換算で増加するため、業績にプラスの影響を与えます。
  3. 原材料コストの上昇:輸入部材や原料の調達コストが上昇し、製造コストが増加する可能性があります。

円高の影響

  1. 輸出競争力の低下:円高により、日本製品の海外価格が相対的に高くなり、価格競争力が低下します。これにより、輸出が減少する可能性があります。
  2. 海外売上高の減少:海外での売上高が円換算で減少するため、業績にマイナスの影響を与えます。
  3. 原材料コストの低下:輸入部材や原料の調達コストが低下し、製造コストが減少する可能性があります。

最近の傾向

精密機器セクターの多くの企業は、海外売上高比率が高いため、為替変動の影響を受けやすい傾向にあります。例えば、デジタルカメラや事務機器などの主力製品は、海外市場での販売が大きな割合を占めています。

日本の代表的な精密機器セクターの企業10社

オリンパス

  • 概要: 内視鏡を中心とした医療機器と、顕微鏡などの科学機器を主力とする企業です。
  • 特徴: 消化器内視鏡では世界トップシェアを誇り、医療分野で高い技術力を持っています。
  • https://www.olympus.co.jp/

HOYA

  • 概要: メガネレンズ、コンタクトレンズ、医療用内視鏡、HDD用ガラスディスクなどを製造する企業です。
  • 特徴: 光学技術と精密加工技術に強みを持ち、多岐にわたる分野で事業を展開しています。
  • https://www.hoya.com/

ニコン

  • 概要: デジタルカメラ、半導体露光装置、医療機器などを製造する企業です。
  • 特徴: 光学技術と精密技術に強みを持ち、デジタルカメラや半導体分野で高い技術力を持っています。
  • https://www.jp.nikon.com/

テルモ

  • 概要: カテーテル、人工心肺装置、輸液セットなどの医療機器を製造する企業です。
  • 特徴: 医療機器分野で幅広い製品を展開し、特にカテーテル分野で高いシェアを持っています。
  • https://www.terumo.co.jp/

シチズン

  • 概要: 時計、工作機械、電子機器などを製造する企業です。
  • 特徴: 時計事業で培った精密加工技術を活かし、幅広い分野で事業を展開しています。
  • https://www.citizen.co.jp/

オムロン

  • 概要: 制御機器、ヘルスケア機器、電子部品などを製造する企業です。
  • 特徴: センシング&コントロール技術をコアに、幅広い分野で事業を展開。ヘルスケア機器では血圧計などが有名です。
  • https://www.omron.com/jp/ja/

タムロン

  • 概要: 交換レンズを中心とした光学機器を製造する企業です。
  • 特徴: 高性能な交換レンズをリーズナブルな価格で提供し、幅広いユーザーから支持を得ています。
  • https://www.tamron.com/jp/

メニコン

  • 概要: コンタクトレンズ、コンタクトレンズケア用品などを製造する企業です。
  • 特徴: 国産初の角膜コンタクトレンズを開発するなど、コンタクトレンズ分野で高い技術力とブランド力を持っています。
  • https://www.menicon.co.jp/company/

島津製作所

  • 概要: 医療機器、分析計測機器、航空機器などを製造する総合精密機器メーカーです。
  • 特徴: 質量分析計などの分析計測機器で強みを持つ。医療分野や産業分野で幅広い製品を展開しています。
  • https://www.shimadzu.co.jp/

トプコン

  • 概要: GNSS測量機、眼科医療機器、建設機械制御システムなどを製造する企業です。
  • 特徴: GNSS測量技術と光学技術を融合した製品開発に強みを持ち、測量・建設分野や医療分野で事業を展開しています。
  • https://www.topcon.co.jp/

精密機器の5年のチャート推移

日本取引所グループの業種別 精密機器業の5年チャートを見てみましょう。

2020年のコロナショックで、他のセクターと同じく急落しましたが、

医療用機器分野の企業が多いこともあり、世界各国の経済緩和とともに

株価を大きく上昇させました。

2022年のロシアとウクライナ戦争の時は、エネルギー価格の高騰や素材の高騰のために、株価は大きく調整しました。

精密機器セクターには、高度な部品や素材を必要とします。(パラジウム、ネオンなどは計測機器や医療機器などに不可欠)

ロシアやウクライナは、特定のレアメタルやガスなどの資源の産出国であるからです。

2023年から2024年までは、他のセクターほどではありませんが、円安で収益改善が見込めることもあり株価を上昇させました。

2025年には、日銀の利上げ姿勢や、トランプ政権の関税政策動きがどうなるかわからないという

先行きの不透明感から、株価は軟調に推移しています。

まとめ

精密機器セクターを含む医療機器関連企業の海外売上高比率は、2023年度で70.8%と

増加傾向にあることとがあり、円高に弱い傾向があります。

  1. オリンパス:
    • 具体的な2023年度の数字は提供されていませんが、2021年度の海外売上高比率が81%だったことから、高い海外売上高比率を維持していると推測されます。
  2. テルモ:
    • 2023年度の具体的な数字は提供されていませんが、2021年度に68%だった海外売上高比率から増加している可能性が高いです。
  3. シスメックス:
    • 2023年度の具体的な数字は提供されていませんが、2022年度に85%だった海外売上高比率を維持または上回っていると考えられます。

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